担当ケース(Aさん、10代、女性)1-3
個人情報に配慮して、今まで担当した患者さまの記録を書いていきます。
そこで思ったことや、意識したことも書き記そうと思っています。
◉ケース記録 ■筆者の感想、反省点
Aさん
年齢:10代
性別:女性
診断名:パニック障害
◉本来の退院支援委員会の開催時期から
約3ヶ月遅れて開催することになりました。
といってもご家族は病棟に立ち入ることが
できないので、私がご家族に退院についての考えを
聞いて、Aさん、主治医、担当Ns、私の4人で
Nsステーションの一角を使い話し合うという
妥協的なものになりました。
この頃にAさんが相手に対して自分の気持ちを
伝えることが他の人よりも苦手ということで
知能検査が行われていました。
結果としては境界知能ということが分かり
主治医も病棟での生活で他者とのコミュニケーションの
練習を取ってから、退院時期を検討していきましょう
という方針になりました。
ご家族から聞いた意見についても、家庭環境の整備が
進んでおらず、また自傷行為になると対応できないので
まだ入院していてほしいというものでした。
Aさんが入院して約半年が過ぎており、少しずつ
外泊等を行うようになっていたのですが
祖父母があれこれと話しをしてくるのがAさんにとってストレスに
なっているようで、そこの調整も必要と父親は話していました。
■大学時代に思い浮かべていたPSW像としては
退院環境に積極的に介入していくイメージでしたが
病院の職員として仕事していると、そこの難しさも
痛感しました。
退院支援委員会でも、本人が現環境に適応できるように
なるまで外泊を繰り返して練習を行いましょう。
もしくは父親が家庭環境を整備するまで、待ちましょう。
といった方針で、私が何かするわけでもありませんでした。
この何もしないというのが私にとってなかなか苦痛でした。
これは私が良い支援者になりたいという驕りなのでしょうか?
やれることがない中でも、父親に対して主治医と話す機会を
設けたり、Aさんに対して父親に自分の気持ちを伝えれば
父親もきっと理解してくれるよ、というありきたりなアドバイスを
したりとはしていましたが、これくらいのものでいいのでしょうか?
大学時代、ゼミの先生が支援者には支援者の色があると教えてくれましたが
このままだと無色透明になってしまいそうです。